Old Smith & Wesson Knives

当初はオールドS&Wナイフネタを書こうと思っていたのが、この頃は60~70年代アメリカン・ナイフ再発見の話です

パンフレット Model 6030 Survival

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Survival Model 6030

Contoured Wessonwood handle blends into double quilion cross guard for maximum workability and protection. Handle cavity of this all-purpose knife holds matches, fish hooks and line, water purification tablets, etc. The blade has a wide flat spine and a useful sharpened false edge. Overall length is 10 inches, with 5 1/2 inch blede. Weight: 10 ounces.

(Wessonwoodのハンドルが最大限の作業性と安全のためのダブル・キリオンのクロス・ガードが融合されています。この汎用ナイフのハンドルの空洞は、マッチ、釣り針、釣り糸、浄水錠剤等を収納することができます。このブレードは、幅広の平たい峰部と便利な研がれたフェールスエッジを備えます。全長10インチ、ブレードは5 1/2インチです。重量:10オンス)

画像のソース
http://smith-wessonforum.com/smith-wesson-knives-collectables/106690-s-w-knife-brochure.html

 

 6020や6030になんとなく似ているサバイバルナイフが、後にGerman Eye Brand knives(Carl Schlieper)で製造販売され、Bianchiブランドとビアンキ製シースをつけてNighthawk Survival Knifeとしても販売された。推測だが、それらはS&Wから何らかのライセンスを取得したのではないかと思われる。ビアンキ・ナイトホークは、革製とナイロン製のシースのものがあるが、それらシースの出来栄えは、さすがビアンキと思わせるものがあった。

 ずいぶん前に、刃物店でCarl Schlieperの黒ずくめのサバイバルナイフ(6030に似ているデザインのもの)を見つけて、ほほう珍しいと思ったが、ちょっと高かったのと、さほど強い購買意欲もなかったので買わずじまいだった。今となっては買っておけばいろいろと楽しめたかなという気分もなくはない。

 当時のサバイバルナイフの雑誌広告などで、どこか辺鄙な場所の地図を広げた上にサバイバルナイフとランタン、コンパスのような小物が置かれ、ハンドルのキャップが開いてマッチや釣り針が見えているような写真(あるいは野獣や荒野の写真)が使われていたりするのを見ると、やはり探検にはこういう「サバイバルナイフ」が必要なのだな、と、なんとなく思っちゃったりしたわけだが、そんな探検冒険に出かける人がどれだけいたのか?といえばまあほとんどいないわけである。

 ナイフの柄にマッチや釣り道具が仕込んであったら便利やん?と言われても、それが役に立ったという経験は私の場合は皆無である。コンパスは役に立つかな?

 要するにサバイバルナイフというのは、退屈かつストレスフルな都市生活から離れ、冒険・探検へのロマンを掻き立てるための道具立ての一つ、イメージ商品だったんである。別にサバイバルナイフに限定せずとも、ナイフ全般、テントにバーナー、衣服にブーツといった道具も、そういうロマンティックな側面の雰囲気付けは、やはり商品として必要なものなのかな。

 思い返せば、冒険・探検・野外生活に対するロマンのいち表現が当時は「サバイバル」であったような気がする。サバイバル読本みたいな本もけっこう出ていた記憶もある。今だと「ブッシュクラフト」かな?このブッシュクラフトも独特のナイフ作法があるようだ。